ミネラルウォーターは「軟水」と「硬水」に分類することができます。そもそもこの軟水や硬水というのは、「洗濯するときの石鹸の泡立ち具合」からきた呼び名だそうです。
「軟水」や「硬水」への分類は、水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を、対応する炭酸カルシウムの量に換算した「硬度」という指標であらわしますが、換算の仕方に基準がなく法律によって定められているものでもありません。
このカルシウムとマグネシウムの含有率が大きいものほど硬度が高く「硬水」に、逆に小さいものは「軟水」に分類されます。
ミネラルウォーターの普及しているヨーロッパは、石灰岩が多く地下水に溶け込むカルシウムやマグネシウムの量も多くなり、硬度の高さに応じた「硬水」の割合が高いということはよく知られています。
諸外国に比べ、日本の国土は狭く急峻な山々に囲まれていて、山々のふもとがすぐ海という地形が特徴でもあり、降った雨が地層の中に滞留する時間が短く、溶け込むミネラルの量も諸外国と比較すると少ないことが、日本のミネラルウォーターに「軟水」が多い一因でもあります。
地域による算出の基準がないのが現状ですが、WHO(世界保健機関)による「飲料水水質ガイドライン」では「軟水」と「硬水」の分類を1リットル中の炭酸カルシウムの量による換算値で次のように分類しています。
硬度(mg/ℓ)=カルシウム含有量(mg/ℓ)×2.5+マグネシウム含有量(mg/ℓ)×4.1
日田天領水の硬度は 水質検査結果書 の「カルシウム、マグネシウム等(硬度)」という項目に記載されています。(ミネラル成分は天然の為、多少の変動があります)
ミネラルウォーターは国や地域、風土の違いで含まれるミネラルの成分や量に違いがあります。住んでいる国や地域で普段から飲みなれたものを美味しく感じ、逆に飲みなれないものには違和感を感じることもあるかもしれません。
ミネラルウォーターを料理に使うこともあるでしょう、軟水と硬水の性質の違いを利用すればぐっと料理の味も引き立ちます。
「軟水」は香りや味をよく引き出すので、コーヒーや紅茶または緑茶、ウイスキーなどに使用して香りや味を楽しみます。また昆布やかつおのうまみ成分も良く出ますので煮物に使えばより一層おいしくなります。
一方「硬水」は含まれるカルシウムの量が多く渋みの成分と結びつきやすいので、苦味や渋みを取り除きたい場合は硬水を使います。
世界各地のミネラルウォーターはその国の気候や風土に合わせた考え方などから独自の方法によって製造されています。
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